屋号の決め方:『会社』『Inc.』はNG?使える言葉・避けたい名前を良い例/NG例で
屋号をつけようと決めたものの、「この名前、勝手に使って大丈夫?」「〇〇会社ってつけていいの?」と、いざとなると不安が出てきます。屋号は基本的に自由に決められますが、「これだけはNG」という一線と、避けておくと安全なポイントがあります。ここを押さえれば、あとは好きに名づけて大丈夫です。
この記事の結論
– 絶対NGは「会社」だと誤認させる言葉(株式会社・Inc.・Co.,Ltd. など。会社法7条)
– OKは事務所・工房・デザイン・works・Studio など事業を表す言葉
– 有名企業・商標とかぶる名前は法律違反でなくてもトラブルの火種。避ける
– 決める前にJ-PlatPat(商標)・検索・ドメインを軽くチェック
絶対NG:法人だと誤解させる言葉
個人事業主の屋号に、「会社」だと誤解させる言葉は使えません。 これは法律で禁止されています(会社法7条:会社でない者が、その名称・商号に会社であると誤認されるおそれのある文字を使うことは禁止)。
NGワードの例:
- 株式会社、(株)、有限会社、合同会社、合名会社、合資会社
- Corporation、Corp.、Inc.、Co., Ltd.、K.K.、G.K.
あなたは会社(法人)ではなく個人事業主なので、これらを屋号に入れることはできません。「なんとなくカッコいいから」で 〇〇Inc. としてしまうのは典型的なNGです。
では、どう表せばいい? 事業の種類を表す言葉に置き換えれば大丈夫です。
| NG(法人と誤認) | OK(個人事業でも使える) |
|---|---|
| 〇〇株式会社 / 〇〇Inc. | 〇〇事務所、〇〇工房、〇〇商店 |
| 〇〇Co., Ltd. | 〇〇デザイン、〇〇design、Studio 〇〇 |
| 〇〇Corporation | 〇〇サービス、〇〇企画、〇〇works |
英字・ローマ字・記号を使うこと自体は問題ありません。「Studio」「Design」「works」「factory」などは個人事業でも自由に使えます。
避けたい:他人の名前・商標とかぶる屋号
法律違反ではないものの、トラブルの火種になるため避けたいのが次のケースです。
- 有名企業・ブランド名と同じ/紛らわしい:商標登録されている名称を、同じような商品・サービスで使うと、商標権の侵害になるおそれがあります(商標法)。
- 近所や同業に、同じ屋号の人がいる:法的にすぐ問題になるわけではありませんが、顧客の混同やクレームのもとです。
かぶりを確認する方法
決める前に、ざっとチェックしておくと安心です。
- 商標の確認:特許庁の「J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)」で、同じ・似た名前が同業種で商標登録されていないか検索します。
- 検索エンジン・SNS:屋号候補で検索し、同名の事業者が近くにいないか、SNSアカウントが埋まっていないか確認します。
- ドメイン:将来Webサイトを持つなら、独自ドメイン(〇〇.com など)が空いているかも見ておくと後がラクです。
この3つを実際にどう調べるか(読み方が同じ商標の探し方、区分の見方、使ってよいかの判定)は、その屋号、勝手に使って大丈夫?に手順としてまとめています。
決め方のコツ:3つだけ意識する
- 読める・言える・打てる:口頭で伝えたり、検索してもらったりする場面が多いので、読み方に迷う当て字は避けると実用的です。
- 事業が伝わる or 覚えやすい:何屋さんか分かる名前は、それだけで営業になります。
- 将来を縛りすぎない:「〇〇市」「ライター」など地域・職種を入れすぎると、引っ越しや事業拡大のときに合わなくなることがあります。
そして忘れないでほしいのは、屋号は後から変えられるということ(変更に特別な手続きは不要で、確定申告書などに新しい屋号を書けばOK)。完璧を狙って止まるより、「これで十分」で走り出す方が、事業は前に進みます。
よくある質問(FAQ)
Q. 「〇〇カンパニー」「〇〇カフェ」はNG?
「株式会社」等の「会社と誤認させる」表記でなければ、カンパニー・カフェ・ファクトリーなどの一般的な語は使えます。要は「法人だと勘違いされる肩書き」を避ければOKです。
Q. アルファベットや記号だけの屋号でもいい?
問題ありません。「Studio ◯◯」「◯◯ works」のような英字表記は自由です。ただし読み・検索のしやすさは実用面で意識すると得です。
Q. 他の人と屋号がかぶっていた。使ってはいけない?
屋号が同じこと自体が直ちに違法になるわけではありません。ただし、相手が商標登録している名称を同種の商品・サービスで使うと商標権侵害のおそれがあり、顧客の混同トラブルにもなります。事前確認をおすすめします。
Q. 屋号にドメイン(〇〇.com)は取っておくべき?
必須ではありませんが、将来サイトを持つなら、屋号を決めるタイミングで空いているドメインを確認・確保しておくと後がラクです。
この記事の主な根拠(出典)
- 会社法7条(会社でない者が会社と誤認されるおそれのある名称を使うことの禁止)
- 商標法(登録商標に類似する使用は商標権侵害となり得る)
- 特許庁 J-PlatPat(特許情報プラットフォーム。商標の検索)
- ※出典の各ページは2026年8月7日に確認しました。制度は改正されることがあります
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