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コース 3 / 全体像

使える節税を、
37項目のチェックリストにしました

節税の手法をチェックリストにして、個人事業でも法人でも使えるもの・個人事業でだけ使えるもの・法人でだけ使えるものの3つに仕分けました。1万円を経費にしても戻るのは税率の分だけなので、お金が出ていかないものから順に並べてあります。

節税・経費 読む目安 13分
チェックを入れる四角が並んだ紙と、鉛筆と小さな財布の線画

節税チェックリスト(全37項目)

節税というと、まず「何かを買って経費にする」話になります。でも1万円を経費にしても、税金が1万円減るわけではありません。減るのは税率をかけた分だけです。

だから順番があります。お金が出ていかないものから先にやる。買うのは最後です。

このページは、使える節税の手法をチェックリストにしたものです。1行が1つの手法で、行を押すと「どう節税につながるか」と、くわしい記事へのリンクが開きます。

個人事業でも法人でも使えるもの・個人事業でだけ使えるもの・法人でだけ使えるものの3つに仕分けてあります。上から見て、自分に当てはまるものだけ拾ってください。

番号を押すと、そのチェックリストに飛びます。四角にチェックを入れる感覚で、上から拾ってください。

読む目安 約13分制度は2026年9月時点

はじめての方へ ── このページに出てくる言葉(12語)
経費
売上を得るために使ったお金。生活のための出費とは分けて数えます。
所得控除
もうけから引ける枠。国民年金や国民健康保険の保険料、医療費、ふるさと納税など。経費とは別に引けます。
家事按分
家賃や電気代のように生活と仕事で共用しているものを、割合で分けて、仕事の分だけ経費にすること。
未払費用
その年のうちに払う義務が決まっていて、まだ払っていないもの。払っていなくても、その年の経費になります。
減価償却
高いものを買ったとき、その年に全額ではなく、使う年数に分けて少しずつ経費にしていく方法。
税額控除
計算した税額そのものから引くもの。経費と違い、1万円の控除がそのまま1万円の減税になります。
青色申告特別控除
帳簿をきちんと付けている人が受けられる控除。個人事業だけの制度で、法人にはありません。
専従者給与
家族に払う給与のうち、届出を出したものだけを経費にできる仕組み。
損金
法人の税金の計算で引けるお金。個人事業でいう「経費」にあたる言葉です。
役員報酬
社長など役員に払う給与。金額を決められる時期が決まっています。
社宅
会社が借りて、社長や従業員に貸す住まい。本人がいくら払うかで扱いが変わります。
旅費規程
出張の交通費や日当のルールを決めた社内の文書。法人だけの仕組みです。

説明まで通して読むときは、ここで37項目ぜんぶ開けます。

1節税の考え方

やること

「戻るのは税率の分だけ」と「お金が出ていかないものが先」の2つを、先に頭に入れる

経費かどうかで迷ったら、その支出が売上とどうつながるかを、他人に説明できるかどうかで決めます。

レシートでも領収書でも経費にできます。形式より中身が大事なので、「誰と・何のために」をその場で書き足しておきます。これがないと、半年後には自分でも思い出せません。

よくある誤解 ── 「買えば税金が減る」
誤解
  • 10万円使って経費にすれば、税金が10万円減る
  • だから年末に何か買ったほうが得

これだと、買うほど手元のお金が減っていきます

実際
  • 減るのは「10万円 × 税率」の分だけ
  • 税率30%なら、戻りは3万円。7万円は出ていく

出ていくお金のほうが大きい。だから「買う」は最後

たとえば税率30%の人が、年末に10万円分の消耗品をまとめ買いしたとします。税金は3万円減りますが、財布からは10万円出ています。差し引き7万円のマイナスです。必要な買い物なら構いませんが、節税のためだけなら損です。

この手は、どちらの節税か

減る税金 = 使った金額 × 税率

その節税で、手元のお金は──

減らないすでに出ている支出を拾う・按分する・落とし方を変える。追加の支払いは0円
減る買う・掛ける。戻るのは税率の分だけで、残りは出ていったまま

手元のお金が減らないほうを全部やり切ってから、減るほうを考えます。順番が逆になると、税金は減っても現金は細っていきます。

節税の3つの型 ── 上から順にやる
床の硬貨を1枚拾い上げている手の線画 すでに出ているお金を、経費にするいちばん先に

通帳とカードの明細を見返して、事業に関係する支出を拾います。家賃や電気代を割合で分ける家事按分も、ここに入ります。

追加の支払いは0円。拾った金額が、そのまま利益を減らす

小さな買い物かごと、無地の下げ札の線画 買い方を変える次に

どうせ買うものを、早く経費にします。中古を選ぶ、少額のものは買った年に落とす。出ていくお金の額は変わりません。

買う予定があるものだけ。予定がなければ、ここは飛ばす

口の開いた巾着袋と、脇にこぼれた硬貨の線画 新しくお金を出す最後に

共済・保険・設備。戻るのは税率の分だけです。いつ・何に充てて取り出すかを決めてから入ります。

受け取り方を決めずに入ると、数年後にまとめて税金として返ってくる

拾うことと買い方を飛ばして、出すところから始めると、税金は減っても手元のお金は減ります。前の2つをやり切ってから、出す節税を考えます。それだけで、節税の失敗はほとんど消えます。

もうひとつあります。節税をやりすぎると、あとで困る場面があります。融資も住宅ローンも決算書で判断されますし、所得控除は繰り越せません。その年だけでなく、数年先から逆算して決めてください。

注 意

お金が出ていく節税は、先に現金が減ります。買っても、共済や保険に入っても、戻るのは税率の分だけです。共済や保険は、受け取るときにあらためて税金がかかります。買う前に、その支出が事業に要るかどうかを決めてください。

要 点

グレーゾーンを探すより、要件と算式が決まっている制度を、全部正しく使うほうが金額は大きくなります。下のチェックリストは、そういうものだけを並べてあります。

もっと詳しく(5本)

2共通の節税|個人事業でも法人でも使える

やること

上から順に、当てはまるものにチェックを入れる。上のほうほど、お金が出ていかない

15項目の並び ── 上ほど、お金が出ていかない
  1. お金が出ていかないもの(8項目)すでに払ったものを拾う・按分する・落とし方を変えるだけ。ここから先にやります。
  2. 買い方を変えるもの(3項目)どうせ買うものを、早く・大きく落とす。
  3. お金が出ていくもの(4項目)共済も「攻めの節税」も、受け取り方を決めてから。

金額の見本を1つ挙げます。自宅兼事務所で家賃10万円の3割を家事按分すると、年36万円の経費になります。税率30%なら税金は約11万円減り、追加の支払いは1円もありません。拾うことと按分だけで、たいていの「買う節税」より大きくなります。

お金が出ていかないもの(ここから先にやる)

買い方を変えるもの(同じ買い物を、早く落とす)

ここから、お金が出ていく(受け取り方を決めてから)

3個人事業でだけ使える節税

やること

青色申告特別控除を取り切る。ここが埋まっていない状態で、買う節税に進まない

この章は、いちばん上の青色申告特別控除から始めます。何も買わずに所得が65万円減ります。所得税と住民税をあわせた税率が30%の人なら、それだけで年20万円ほど税金が軽くなる計算です。まずここを埋めてから、下に進んでください。

逆に、個人事業では使えないものもあります。下の×の3つです。どれも法人にすると使えるようになります。

個人では使えない ── 法人にすると使える
個人事業では、使えない
  • 自分への給与・退職金
  • 出張日当(旅費規程)
  • 本人の健康診断・社宅
  • 家族への家賃・外注費

実際に払っていても経費になりません(専従者給与だけが例外)

法人にすると、使える
  • 役員報酬・役員退職金
  • 旅費規程の日当(受け取りは非課税)
  • 福利厚生費・役員社宅
  • 家族への給与

ここで使えるようになったものの使い方が、次の第4章です

4法人でだけ使える節税

やること

役員報酬を先に決める。そのうえで、もう出ている支出を会社に寄せる。買うのは最後

法人で金額が大きいのは、新しく買うものではありません。もともと出ていくお金(家賃・交通費・家族の生活費)が損金になることです。もとは1つで、自分に給与を払えるようになると、下の項目が全部使えるようになります。

この章を読む前に

役員報酬・社宅・旅費規程・退職金 = 法人だけで使えるもの

いま、会社があるか──

ある下の14項目が、そのまま使えます
ない使うには、会社を作るかどうかの判断が先になります

会社を作るかどうかは、税金だけでは決まりません。社会保険の負担・設立と維持の費用・毎年の手間まで並べて比べます。

大きいのはここ ── 新しく買わずに、いまの支出を寄せる
個人の財布から払うと
  • 家賃は、税金を払ったあとのお金で払う
  • 出張は実費の分しか経費にならない
  • 自分の健康診断は自腹
会社から出すと
  • 社宅にすれば、家賃の大半が会社の損金
  • 日当は会社の損金+受け取る側は非課税
  • 健康診断は福利厚生費で会社もち

生活は同じまま、会社の利益と税金が減る

金額の見本を1つ挙げます。家賃15万円の自宅を役員社宅に切り替え、会社が12万円を持つ形にできれば、それだけで年144万円が会社の損金です。もともと払っていた家賃なので、新しい支出は1円も増えていません。本人がいくら払えば給与課税されないかは、下のリストの記事にあります。

いちばん先に決める(期首から3か月)

もう出ている支出を、会社に寄せる(ここが本体)

ここから、お金が出ていく/広げる前に

決算まわりの手続き(決算整理・別表の書き方・申告期限)は、法人の決算と申告のコースにまとめてあります。

まず、今日できること
  1. 通帳とカードの明細を、1年分ざっと見返す事業に関係する支出が1つでも見つかれば、追加の支払い0円で利益が減ります。第2章
  2. 自宅で仕事をしているなら、家賃と電気代の割合を1枚に書き出す根拠を残しておけば、翌年からも同じ割合で使えます。第2章
  3. 個人事業なら青色申告特別控除、会社があるなら役員報酬を決めた時期を確かめるどちらも、あとから取り返しがつかない項目です。第3章第4章
4
次のコース

経理のAI活用

AIと会計ソフトで、経理の手間を減らす方法を扱います。

このページは制度の一般的な説明です。実際の判断は個別の事情によって変わります。

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