面倒な作業を1つ任せてみる──最初の1つの選び方と、作りの型
ここまでの章で、渡す業務の線引き・情報の守り方・頼み方と検証の型がそろいました。ただ、読むだけでは身につきません。小さな道具を1つ、実際に作ってみるのがこの章です。
この記事は、コース「経理のAI活用」第5章の解説です。いちばん大事なのは何を作るかの選び方で、ここを外すと挫折します。最初の1本の3条件と、作りの型をまとめます。
この記事の結論
– 最初の1本は「毎月くり返す×間違っても取り返しがつく×正誤を自分で確かめられる」で選ぶ
– 判断は自分に残し、手を動かす部分だけを道具にする
– ダミーデータで作り、本物でテストし、毎月使いながら直す
– 完璧な道具は目指さない。「次からは直すだけで済む」状態がゴール
最初の1本は、3つの条件で選ぶ
作る前に、選びます。条件は3つです。
- 毎月くり返している──一度きりの作業を道具にしても、元が取れない
- 間違えても取り返しがつく──下書き・一覧・突き合わせなど、出す前に人が見るもの
- 正誤を自分で確かめられる──合計や件数で検算できる。感覚でしか判定できないものは不向き
3つそろうものが見つからなければ、まだ作らなくて構いません。業務の仕分けに戻って、棚卸しからやり直すほうが早道です。
向いている業務と、向かない業務
経理まわりで言えば、こう分かれます。
| 向いている | 向かない |
|---|---|
| 督促状・案内文の下書き | 顧客への最終回答・提出書類の確定 |
| 入金と請求の突き合わせ | 税額や申告方針の判断 |
| 明細の整理・転記・集計 | 署名・押印を伴うもの |
左の列に共通するのは、間違いに自分で気づけて、直せることです。右の列は道具にせず、人が持ちます。
作りの型──ダミーで作り、本物で確かめ、毎月使う
作り方は、これまでの章で決めたことをそのまま使います。
- ダミーデータで組み立てる──実名・実額は使わない(第3章の方式)
- 手順を書き残しながら作る──何をどう頼んだかを記録しておくと、直すときに迷わない
- 本物を通して、検証する──合計・件数・抜き取りの3点(第4章の型)
- 毎月使いながら直す──使うたびに1か所ずつ良くすれば十分
ここでの目標は、完璧な道具ではありません。一度作ってしまえば、次からは直すだけで済む状態です。そこまで来れば、毎月の作業時間は確実に短くなります。
実例が2本あります
実際に作った道具の解体記録が2本あります。自分の業務に置き換えるときの下敷きにしてください。
- 督促状の起票をAIで下書きする手順──入金データから文面までの流れ。最初の1本の定番
- 財産データベースを自作する手順──相続実務を回すための設計。慣れてきた人向け
1本できたら、次は「続く仕組み」
道具は1本できると、2本目からは急に楽になります。同時に、作りっぱなしだと半年後に自分で直せなくなる問題も出てきます。その備えが最終章「続く仕組みにする」です。
この記事は「5 面倒な作業を1つ任せてみる」の詳細です。
AIに仕事を任せる前に、決めることが3つあります——コース全体のどこにあたるかは、全体像のページで確認できます。
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