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更新日 2026-07-23 経理と確定申告第23回

予定納税ってなに?「まだ稼いでないのに前払い」の正体と、払えないときの減額申請

7月、ポストに税務署からの封筒。開けると「予定納税」の文字と、それなりの金額の納付書。「今年はまだそんなに稼いでいないのに、なんで前払いさせられるの?」——初めて受け取ると、誰もが戸惑います。

予定納税は、去年それだけ稼いだ人が、今年の税金の一部を前払いする仕組みです。仕組みさえ分かれば怖くありません。そして、今年の収入が落ちそうなら「減額申請」で前払いを減らせます。この記事で、予定納税の正体と対処を押さえましょう。

この記事の結論
– 予定納税は、前年分の「予定納税基準額」が15万円以上の人に発生する“税金の前払い”
7月と11月に、基準額のそれぞれ1/3ずつを前払いし、翌年の確定申告で精算(払い過ぎなら還付)
– 今年の所得が前年より下がる見込みなら、「予定納税額の減額申請」で前払いを減らせる
– 減額申請の期限は、第1期・第2期分=7月15日まで第2期分のみ=11月15日まで

予定納税は「税金の分割前払い」

イメージは、去年の実績をもとにした“税金の仮払い”です。前年にしっかり所得税を納めた人は、「今年も同じくらい稼ぐだろう」と見込まれ、その一部を先に納めます。

  • 対象:前年分の「予定納税基準額」が15万円以上の人(=前年、そこそこ所得税を納めた人)
  • 予定納税基準額:おおむね前年の申告納税額(一部の調整あり)
  • 納める額:基準額の1/3を7月1/3を11月(残り1/3は翌年の確定申告時)

そして大事なのが、これは“余分な税金”ではないこと。前払いした分は、翌年の確定申告で最終的な税額から差し引かれ、払い過ぎていれば還付されます。いわば「立替え」に近いものです。

スケジュール:7月と11月

時期 内容 納期限(目安)
6月 税務署から予定納税額の通知が届く
第1期(7月) 予定納税基準額の1/3を納付 7月31日頃
第2期(11月) 予定納税基準額の1/3を納付 11月30日頃
翌年2〜3月 確定申告で精算(前払い分を差し引く) 3月15日

振替納税を利用していれば、予定納税も自動で口座引き落としされます(→ 納税方法・振替納税)。納付書で払う場合は、期限までに自分で納めます。

「今年は収入が落ちそう」なら減額申請

予定納税は前年実績ベースなので、「今年は前年より収入が減りそう」という人には負担が重すぎることがあります。そんなときのための制度が「予定納税額の減額申請」です。

減額申請ができるケース

  • 廃業・休業・失業した
  • 業績不振で、今年の所得が前年より明らかに下がる見込み
  • 災害・盗難などで損失を受けた
  • 今年から扶養が増えた、医療費・社会保険料などの控除が大きく増える見込み

要するに、その年の見込みで計算した税額が、予定納税基準額を下回るなら、申請して前払いを減らせます。

減額申請の期限

対象 申請できる期間 見積もりの基準日
第1期分・第2期分の減額 その年の7月1日〜7月15日 6月30日時点の状況で今年を見積もる
第2期分のみの減額 その年の11月1日〜11月15日 10月31日時点の状況で見積もる

「7月の納付書が高すぎる」と感じたら、7月15日までに第1期・第2期分の減額申請を。7月は間に合わなくても、11月分だけなら11月15日までに申請できます。放置して満額払うより、資金繰りが厳しいなら申請を検討しましょう。

減額申請の手順

  1. 今年の所得・控除を見積もる(半年分の実績から年間を推計)
  2. 見積もりで計算した申告納税見積額を出す
  3. 予定納税額の減額申請書」に記入(e-Taxでも可)
  4. 見積もりの根拠資料を添えて、期限までに税務署へ提出

減額が認められれば、前払い額が下がります。逆に、見込みより実際に稼いでしまった場合は、翌年の確定申告で不足分を納めることになります(過少な見積もりに注意)。

よくある質問(FAQ)

Q. 予定納税を払わないとどうなる?
納期限を過ぎると延滞税がかかります。前払いとはいえ、納期限は守る必要があります。払えない事情があるなら、減額申請や納税の猶予を早めに相談してください。

Q. 開業1年目は予定納税は来る?
来ません。予定納税は前年の実績が基準なので、前年に事業所得がない(または基準額15万円未満)1年目には発生しません。多くは2年目以降に初めて登場します。

Q. 予定納税で払った分は損する?
損はしません。翌年の確定申告で最終税額から差し引かれ、払い過ぎなら還付されます。あくまで前払い(立替え)です。

Q. 減額申請すれば必ず認められる?
見積もりに合理性があれば認められますが、税務署の審査があります。根拠のある見積もりを示すことが大切です。

まとめ

  • 予定納税は、前年基準額15万円以上の人に来る“税金の前払い”
  • 7月・11月に1/3ずつ納め、翌年の確定申告で精算・還付
  • 損はしない(立替えに近い)
  • 収入が落ちそうなら減額申請:第1期・第2期分は7月15日、第2期分は11月15日まで
  • 1年目は来ない。多くは2年目以降に初登場
この記事の主な根拠(出典)

  • 所得税法104条(予定納税額の納付。予定納税基準額15万円以上)・105条(納期)・111〜114条(予定納税額の減額申請)
  • 国税庁タックスアンサー No.2040(予定納税)
  • ※2026年時点の制度に基づく。納期限・申請期限が休日と重なる場合は翌開庁日にずれます

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