日々の記帳は何を・いつ・どこまで入力する?──会計ソフトに任せる部分と、自分でやる部分
会計ソフトを開くたびに「全部の取引を手で入力しなきゃ」と思って、手が止まる。開業したての人がいちばん最初につまずくのは、実はここです。
結論から言います。いまの記帳は、入力する仕事ではなく、自動で入ってきたものを確かめる仕事です。通帳とカードを連携すれば、取引の8〜9割はソフトが拾ってきます。自分の手で入れるのは、現金で払ったものなど一部だけです。
この記事の結論
– 事業用の口座とカードを連携すれば、記帳の大半は「確認して登録を押す」だけになる
– 自分の手で入力するのは3つだけ。①現金払いの経費 ②プライベートの口座・カードで払った事業の経費 ③現金でもらった売上
– 摘要は「相手+内容」を書く(例:〇〇文具店 コピー用紙)。未来の自分と、税務調査への説明用
– 頻度は週1回15分。ためると「この3,800円、何だっけ?」が増える
– 科目に迷って手を止めない。同じ支出を毎回同じ科目にしていれば大丈夫
記帳の9割は「確かめる仕事」になった
freee・マネーフォワード・弥生のようなクラウド会計ソフトは、銀行口座とクレジットカードを連携すると、入出金の明細を自動で取り込みます。取り込まれた明細には、ソフトが勘定科目の候補まで付けてくれます。
だから日々の作業はこうなります。
- 自動で入ってきた明細を開く
- 科目の候補が合っているか確かめる(違っていたら直す)
- 摘要を書き足して、登録ボタンを押す
1件あたり数秒です。同じ相手の取引は2回目から学習されるので、続けるほど速くなります。
この仕組みを最大限効かせる前提が、事業用の口座とカードを生活用と分けておくことです。分けていれば「連携した口座に流れるお金=ほぼ全部事業」になり、確認だけで済みます。
自分の手で入力するのは3つだけ
① 現金で払った経費
電車代、コインパーキング、現金払いの飲食代。レシートを見ながら入力します。件数を減らしたいなら、支払いを事業用カードやスマホ決済に寄せてしまうのが早道です。
② プライベートの口座・カードで払った事業の経費
うっかり個人のカードで買った事業の消耗品なども、経費にできます。仕訳の相手は事業主借です。連携していない財布から払ったものは自動では入ってこないので、レシートを取っておいて自分で入力します。
③ 現金でもらった売上
現金商売の売上は自動連携に乗りません。レジの日計などをもとに入力します。請求書を出して振込でもらう商売なら、入金は連携口座に入ってくるので、この作業は不要です。
摘要には「相手と内容」を書く
摘要(メモ欄)は、あとで見返したときに取引を思い出すための欄です。書くのは2つだけです。
- 相手:どこに払ったか(〇〇文具店、〇〇駅→〇〇駅)
- 内容:何のためか(コピー用紙、打ち合わせの交通費)
これは税務調査で「この経費は何ですか」と聞かれたときの、いちばん簡単な備えでもあります。長文はいりません。
いつやる?──週1回15分の型
毎日やる必要はありません。おすすめは週1回、曜日を決めて15分です。
- 自動で入ってきた明細を確認して登録する(5分)
- たまったレシートから現金払いを入力する(5分)
- ソフトの残高と、実際の通帳・現金の残高が合っているか見る(5分)
これより間隔をあけると、内容を思い出せない明細が増えていきます。記憶が残っているうちに登録するのが、結局いちばん速い方法です。
科目に迷っても、手を止めない
「これは消耗品費?雑費?」で悩んで記帳が止まるのが、いちばんもったいないパターンです。科目が多少ちがっても、経費の合計が同じなら税額は変わりません。大事なのは同じ種類の支出を毎回同じ科目にすることです。
迷ったときの決め方は勘定科目の決め方の記事にまとめました。なんでも雑費に入れると後で見返せなくなるので、そこだけ注意してください。
ためてしまったときのリカバリー
数か月ためてしまっても、やり直せます。順番はこうです。
- 連携済みの明細を、古い順に登録していく(自動で取り込まれた分は消えていません)
- レシートを月別に分けて、現金払いを入力する
- 最後に、ソフトの残高と実際の残高を合わせる
1年ためた場合でも、この順番なら数日で追いつけます。月1回10分の締めチェックを入れておくと、翌年は同じことで悩まずに済みます。
ここまでできれば、あとは決算整理だけ
日々の記帳は「お金が動いた事実」を集める作業です。年末には、集めたものを「その年のもうけ」に組み替える決算整理が待っています。逆に言えば、週1回の型さえ回っていれば、確定申告前にやることは決算整理だけになります。
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