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更新日 2026-07-23 経理と確定申告第14回

国民健康保険は控除証明書が届かない?! 支払った額を自分で出して確定申告に入れる方法

生命保険も国民年金も、秋になれば控除証明書が郵送で届いた。でも国民健康保険(国保)だけ、いつまで待っても届かない。「証明書がないと控除できないのでは?」——ここで多くの人が、年間何万円もの控除をまるごと入れ忘れます。

結論から言えば、国保は控除証明書がなくても控除できます。国保料は全額が社会保険料控除の対象で、必要なのは「証明書」ではなく「1年間に実際に支払った額」という数字だけ。それを自分で出す方法を、この記事で確定させます。

この記事の結論
– 国民健康保険料は全額が社会保険料控除の対象(所得税法74条)
– 国保は控除証明書が原則発行されない。だが、証明書は控除の必須条件ではない
– 使う金額は、その年(1〜12月)に実際に支払った額。口座履歴・納付書控え・自治体の「納付済額のお知らせ」で集計
国民年金は逆に証明書がある(こちらは証明書を使う)

なぜ国保だけ証明書が届かないのか

生命保険料控除や国民年金(社会保険料控除)は、控除証明書の添付・提示が制度上求められているため、保険会社や年金機構が証明書を発行します。

一方、国民健康保険料には、確定申告での証明書添付が求められていません。だから自治体は原則として控除証明書を発行しないのです。「届かない」のは不備ではなく、もともと証明書がいらない控除だから。必要なのは、実際に払った金額を自分で申告することだけです。

使う金額は「その年に払った額」

国保の社会保険料控除は、1月1日〜12月31日に“実際に支払った”保険料の合計で計算します。ここに2つの注意点があります。

注意1:年度(4月〜)と暦年(1〜12月)はズレる

国保料は年度単位(4月〜翌3月)で賦課され、多くは6月〜翌3月の分割で納めます。でも控除に使うのは暦年(1〜12月)に払った額。年度の金額をそのまま書くと合いません。「いつ払ったか」で1〜12月に入る分だけを拾ってください。

注意2:前年度分・過年度分を今年払ったら、今年の控除

去年の国保料を今年になって払った、滞納分をまとめて払った——こうした場合も、「実際に支払った年」の控除になります。年度ではなく“支払日”が基準です。

支払った額を集計する4つの方法

自分の払込額は、次のどれかで確認できます。いちばん確実なのは口座履歴です。

  1. 口座振替の通帳・アプリ履歴……「○○市 国民健康保険料」の引き落としを1〜12月分だけ合計
  2. 納付書の控え・領収証……コンビニ・窓口払いの人は、手元の控えを合計
  3. 自治体の「保険料納付済額のお知らせ」……申告時期に合わせて送る/窓口・電話で出してくれる自治体もある(名称は自治体で異なる)
  4. マイナポータル連携……e-Taxとマイナポータルを連携すると、対応自治体では国保の支払額を自動取得できる場合がある

どれかで1〜12月の合計額が出れば、それを申告書の社会保険料控除欄に入れるだけです。

減額・還付があった年は差し引く

年の途中で所得が下がって保険料の減額・還付を受けた場合、その分は控除額から差し引きます。控除に使えるのは、あくまで最終的に自己負担した額(払った額 − 戻った額)です。還付通知が来ていたら、金額を確認して調整してください。

国民年金は「逆」——証明書を使う

同じ社会保険料でも、国民年金は控除証明書があるので、そちらを使います(日本年金機構から11月頃郵送)。

種類 証明書 集計方法
国民健康保険 原則なし 自分で1〜12月の支払額を集計
国民年金 あり(社会保険料控除証明書) 証明書の金額を使う
国民年金基金・介護保険料 あり/給与天引き等 証明書・通知に従う

「国保は自分で、年金は証明書で」——この対比で覚えると混乱しません。国保も国民年金も、どちらも全額が社会保険料控除である点は同じです。

よくある質問(FAQ)

Q. 国保の控除に、何か添付書類は必要?
確定申告での添付は不要です(社会保険料控除のうち国保は証明書添付が求められていません)。ただし金額の根拠(口座履歴など)は手元に残しておきましょう。

Q. 家族の国保を私がまとめて払っている。
世帯主が世帯全員分の国保を払っている場合、実際に支払った人(世帯主)の社会保険料控除にできます。世帯として払った合計を集計してください。

Q. 会社を辞めて国保に入った年。任意継続を選んだ場合は?
任意継続(前職の健康保険を継続)の保険料も社会保険料控除の対象です。こちらは保険者から証明書や通知が出ることがあります。どちらを選んだかで確認先が変わります。

Q. 「納付済額のお知らせ」が届かない自治体もある?
あります。その場合は口座履歴か納付書控えで自分で集計するのが基本。窓口・電話で納付額を教えてくれる自治体も多いので、不明なら問い合わせを。

まとめ

  • 国保料は全額が社会保険料控除。控除証明書がなくても控除できる
  • 使うのはその年(1〜12月)に実際に払った額。年度とはズレる
  • 集計は口座履歴・納付書控え・自治体のお知らせ・マイナポータル
  • 減額・還付があった年は差し引く
  • 国民年金は証明書を使う(国保だけが“自分で集計”)
この記事の主な根拠(出典)

  • 所得税法74条(社会保険料控除。国民健康保険料・国民年金保険料等が対象、支払った全額を控除)
  • 国税庁タックスアンサー No.1130(社会保険料控除。その年に実際に支払った金額。国民健康保険料は証明書の添付不要)
  • ※2026年時点の制度に基づく。「納付済額のお知らせ」の名称・発行有無は自治体により異なります

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