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更新日 2026-07-23 経理と確定申告第18回

家賃・スマホ代は経費に何割入れていい?家事按分の“割合の決め方”入門と根拠メモの残し方

申告書の作成まで来て、経費入力の最後で手が止まる。「家賃、何割入れていいの?」——正解の数字が誰も教えてくれないから、決められない。入れすぎて否認されるのも怖いし、少なく見積もって損するのも嫌。結局、按分だけ空欄のまま何日も止まってしまう。

大丈夫です。家事按分は、“正しい正解”を当てるゲームではなく、“説明できる割合”を自分で決める作業。この記事は、初めてでもまず割合を決めて申告書を先に進められるように、考え方と目安をやさしくまとめます。より深い根拠づくり(税務調査対応まで)は家事按分で否認を避ける割合の決め方へ。まずはここで一歩進めましょう。

この記事の結論
– 家事按分は「事業で使っている割合」を合理的に決めるだけ。国が決めた正解の割合はない
– 決め方の物差しは面積・使用時間・使用日数の3つでほぼ足りる
– 大事なのは、割合よりも「なぜその割合か」を一言メモに残すこと
– 迷ったら控えめに、でも空欄にしない。ゼロで進めるより一歩進む

まず「3つの物差し」だけ覚える

按分の割合は、次の3つのどれかで出せます。費目に合うものを選ぶだけ。

  1. 面積……家賃・光熱費など「場所」に関わるもの → 仕事スペースの面積 ÷ 全体の面積
  2. 使用時間……電気・通信など「時間」で使うもの → 1日の事業使用時間 ÷ 24時間(または起きている時間)
  3. 使用日数・距離……週の稼働日、車の走行距離など → 事業日数 ÷ 7日、事業距離 ÷ 総距離

この3つで、ほとんどの費目はカバーできます。

費目別・最初に置く「目安」

「まず決める」ための出発点です。あくまで目安なので、自分の実態に合わせて上下させてください(実態と違う数字はNG)。

費目 物差し 出発点の目安 ひとこと
家賃 面積 仕事部屋の面積比(例 1部屋なら20〜30%) 部屋を占有しているほど高くできる
電気代 時間 20〜40% 在宅で長時間PCを使うなら高め
水道・ガス 実態 0〜10% デスクワークならほぼ入れない
スマホ 時間 30〜60% 仕事用番号を分ければ100%も
ネット回線 時間 50%前後 在宅ワーク中心なら高め
車(ガソリン等) 距離 走行距離比 日報で距離を数週間記録すると根拠に

数字はあくまで“置き場所”。「うちは仕事部屋を1日中使うから家賃30%」のように、自分の生活に合わせて調整すれば十分です。

「根拠メモ」は1費目1行でいい

家事按分でいちばん大切なのは、割合そのものより「なぜその割合にしたか」を残しておくこと。難しく考えず、こんな1行で構いません。

  • 家賃:60㎡中15㎡を仕事部屋 → 25%
  • 電気:平日9〜18時+夜2h 業務使用 → 約35%
  • スマホ:業務連絡・調べもの中心、私用は夜のみ → 50%
  • 車:2週間の運転日報で事業距離62% → 60%

これをメモ帳やスプレッドシートに残しておけば、もし後で聞かれても即答できます。作るのは初年度の1回だけ。翌年からは同じロジックを使い回せます。

迷ったときの3原則

  1. 空欄にしない……ゼロで進めると、その経費は丸ごと使えません。まず妥当な割合を置く
  2. 説明できる範囲に収める……「なんとなく高め」はNG。1行メモで説明できる数字に
  3. 控えめでも損は小さい……不安なら少し控えめに。翌年、実態に合わせて調整すればよい

完璧な割合を1回で当てる必要はありません。「説明できる妥当な割合で、まず前に進む」——これが初回申告のコツです。

よくある質問(FAQ)

Q. 割合の証拠書類は提出する?
提出は不要です。根拠メモや間取り図は手元に保管(帳簿書類として保存)。聞かれたときに出せればOKです。

Q. 目安どおりの割合にすれば安全?
目安は出発点にすぎません。自分の実態に合っていることが最優先。実態より高い数字は、目安どおりでも危険です。

Q. スーツや昼食は家事按分できる?
できません。スーツ・食事・散髪などは「事業専用」と言い切れず、家事費として経費になりません。按分の対象は、家賃・光熱費・通信費・車など“事業と生活で共通して使うもの”です。

Q. もっと厳密に根拠を作りたい。
面積比の図面化、使用時間・走行距離の記録など、税務調査でも通る作り方は家事按分で否認を避ける割合の決め方で解説しています。まずこの記事で決めて進め、後から精度を上げるのがおすすめです。

まとめ

  • 家事按分は「事業で使う割合」を合理的に決めるだけ。正解の数字はない
  • 物差しは面積・使用時間・使用日数(距離)の3つでOK
  • 1費目1行の根拠メモを残せば十分。作るのは初年度の1回だけ
  • 迷ったら控えめに、でも空欄にしない
  • 精度を上げたくなったらリファレンス記事へ
この記事の主な根拠(出典)

  • 所得税法45条1項1号・所得税法施行令96条(家事関連費のうち業務の遂行上必要な部分を経費に算入できる)
  • 国税庁タックスアンサー No.2210(やさしい必要経費の知識)
  • ※2026年時点の制度に基づく。目安の割合は一般的な例で、実態に合わせた調整が必要です

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