e-Taxでマイナンバーカードが読み取れないときの対処/ID方式は新規発行停止
申告書は完成した。あとはe-Taxで送るだけのはずが、スマホにマイナンバーカードをかざしても読み取れない。暗証番号を入れたら「ロックされました」。時計は3月14日の夜。65万円控除がかかっているのに、提出できない……。
e-Taxの提出は、準備さえしておけば数分。でも直前に初めて触ると、読み取りや暗証番号で詰まりがちです。この記事で、2つの提出方式の選び方と、当日詰まらないための対処を先回りで押さえておきましょう。
この記事の結論
– e-Taxの提出方式は「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の2つ
– マイナンバーカードがあるならカード方式が基本。スマホのNFCで読み取れる
– 令和7年10月1日に新規発行が止まったID・パスワード方式は、すでに届出をすませた人だけが使える
– 暗証番号ロック・カード読み取り・有効期限が三大トラブル。数日前に一度ログインを試すのが最大の対策
– どちらの方式でも、e-Taxで送れば65万円控除の電子申告要件を満たす
2つの提出方式:どっちを選ぶ?
| マイナンバーカード方式 | ID・パスワード方式 | |
|---|---|---|
| 必要なもの | マイナンバーカード+読み取り機器(スマホ/ICカードリーダー) | 税務署で発行したe-Tax用ID・パスワード |
| 事前手続き | カード取得済みならすぐ | 令和7年10月1日に新規発行を停止(すでに届出をすませた人だけ利用可) |
| 向いている人 | カードを持っていて、スマホで読み取れる人 | すでに届出をすませた人だけ |
| 位置づけ | 今後の基本 | 経過措置(令和9年分から利用できなくなる予定) |
結論はシンプルです。マイナンバーカードを持っているならカード方式が手っ取り早い。もう一つのID・パスワード方式は、令和7年10月1日にID・パスワードの新規発行が止まりました。これから新しく申し込むことはできず、すでに届出をすませた人だけが引き続き使えます。令和9年分の確定申告からは使えなくなる予定です。
マイナンバーカード方式:読み取りのコツ
スマホ(NFC対応)で読み取る場合、うまくいかない原因はだいたい決まっています。
- スマホケースを外す……厚いケースや金属を含むケースはNFCを妨げます
- カードとスマホの位置を合わせる……スマホのNFCアンテナ位置(機種で違う)にカードの中央を密着。iPhoneは上部、Androidは中央〜背面が多い
- 動かさず数秒待つ……かざした瞬間に離さない。「読み取り中」の表示が消えるまで固定
- 専用アプリを最新に……マイナポータルアプリ等を最新版に更新しておく
暗証番号は2種類あります。混同しないよう確認を。
- 利用者証明用電子証明書……数字4桁。ログインや本人確認に使用。3回間違えるとロック
- 署名用電子証明書……英数字6〜16桁。申告データの署名に使用。5回間違えるとロック
三大トラブルと対処
① 暗証番号がロックされた
ロックの解除は、市区町村の窓口で行います(コンビニやオンラインで対応する自治体もあります)。窓口対応だと当日中に間に合わない可能性があるため、思い当たる番号があやふやなら、提出直前ではなく早めに確認しておきましょう。
② カードが読み取れない
上記の「読み取りのコツ」を試してもダメなら、ICカードリーダーをPCにつなぐ方法を試します。なおID・パスワード方式は令和7年10月1日に新規発行が止まったため、今から切り替えられません(すでに届出をすませた人は引き続き使えます)。どの機器でも読み取れないときは、カードのICチップが傷んでいることもあり、市区町村での確認・再発行が必要になります。これも直前では間に合いません。
③ 電子証明書の有効期限切れ
マイナンバーカードの電子証明書は発行から5回目の誕生日までです(カード本体の有効期限とは別)。期限が切れていると署名できません。マイナポータル等で有効期限を事前に確認し、切れていれば市区町村で更新を。
65万円控除との関係
e-Taxでの提出は、青色申告特別控除65万円の要件の一つです(複式簿記+期限内申告+e-Tax)。e-Taxでつまずいて紙提出に切り替えると、控除が55万円に下がり10万円の損。そのため、e-Taxのトラブルは「提出が遅れる」だけでなく「控除が減る」という二重のダメージになります。詳しくは65万円控除の条件を参照してください。
直前に詰まらないための鉄則
提出予定日の数日前に、一度e-Taxにログインしてみる。 これだけで、暗証番号・読み取り・有効期限の問題を事前に発見できます。当日に初めて触るのが最大のリスクです。申告データが完成する前でも、ログインテストは先にできます。
よくある質問(FAQ)
Q. マイナンバーカードを持っていない。今から確定申告に間に合う?
ID・パスワードの新規発行は令和7年10月1日に止まったため、今からID・パスワード方式を新しく始められません。カードの発行にも時間がかかるので、その年の申告は紙提出が現実的です。ただし紙だと65万→55万に下がります。翌年に向けてカードを取得しておくのがおすすめです。
Q. スマホがNFC非対応。
ICカードリーダーをPCに接続する方法があります。ID・パスワード方式は令和7年10月1日に新規発行が止まったため、今から選べません(すでに届出をすませた人は引き続き使えます)。カードリーダーが用意できないなら、NFC対応のスマホを借りて読み取る方法を検討してください。
Q. ID・パスワード方式のIDを忘れた。
税務署に「変更等届出書」を出せば、ID(利用者識別番号)を確認・再発行してもらえます。窓口でのやりとりになることがあるので、直前ではなく早めに。なお、忘れたのが暗証番号(パスワード)だけなら、事前に「秘密の質問と答え」を登録していればオンラインで再設定できます。
Q. 会計ソフトから直接e-Tax送信できる?
多くの会計ソフトはe-Tax送信に対応しています。ソフト上でマイナンバーカード方式・ID方式を選んで送信でき、受信通知もソフト内で確認できます。
まとめ
- e-Taxの方式はカード方式とID・パスワード方式。ID方式は新規発行が止まったので、これから始める人はカード方式
- 読み取りはケースを外す・位置を合わせる・数秒固定
- 三大トラブルは暗証番号ロック・読み取り不良・有効期限切れ
- 数日前に一度ログインを試すのが最大の対策
- e-Tax提出は65万円控除の要件。紙に逃げると10万円の損
この記事の主な根拠(出典)
- 国税庁「e-Tax(国税電子申告・納税システム)」利用方法(マイナンバーカード方式・ID・パスワード方式)
- 租税特別措置法25条の2(青色申告特別控除65万円のe-Tax要件)/タックスアンサー No.2072
- 公的個人認証(電子証明書の有効期限=発行から5回目の誕生日まで)
- ※ID・パスワード方式は暫定的な措置で、令和7年10月1日にID・パスワードの新規発行が停止されました(すでに届出をすませた人は引き続き利用可)。令和9年分の確定申告からは利用できなくなる予定です
- ※出典の各ページは2026年8月21日に確認しました。制度は改正されることがあります
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