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更新日 2026-07-23 起業時の知識第13回

青色申告承認申請書の提出期限はいつ?開業日別の締切と65万・55万・10万円の条件

青色申告は、個人事業主にとって最大級の節税制度です。ところがこの制度、「申請書を期限内に出した人しか使えない」という、シンプルだけれど取りこぼしの多い入口があります。「いつまでに出せばいいのか」を1日でも間違えると、その年はまるまる白色。65万円の控除がフイになります。

この記事では、①あなたの締切はいつか(開業日別の早見表)、②65万・55万・10万円という3つの控除は何が違い、それぞれ何が条件か——この2点を、迷いなく確定できるように整理します。

この記事の結論
– 期限は「原則その年の3月15日」。ただし1月16日以後に開業した年は、開業日から2ヶ月以内(所得税法144条)
– 65万円控除には「複式簿記+e-Tax(電子申告)または電子帳簿保存」が必要(租税特別措置法25条の2)
– 迷ったら開業届と同時に、開業してすぐ出すのが確実

まず結論:あなたの締切はいつ?【開業日別・早見表】

青色申告承認申請書の提出期限は、「その年分から青色にしたいか」で決まります(所得税法144条)。

あなたの状況 提出期限
すでに事業をしていて、来年分から青色にしたい その年の3月15日まで
その年の1月1日〜1月15日に開業した その年の3月15日まで
その年の1月16日以後に開業した 開業日から2ヶ月以内
相続で事業を引き継いだ 別途、相続開始日等を基準とした特例期限あり

具体例で確認します。

  • 4月10日に開業 → 期限は6月10日(開業日から2ヶ月)
  • 9月1日に開業 → 期限は11月1日
  • 1月10日に開業 → 期限は3月15日(1月15日までの開業は原則どおり3月15日)
  • 前から事業をしていて、今年分を青色に → 今年の3月15日まで(=実質、前年のうちに動く必要)

ポイントは、「開業した年から青色にしたい」なら、多くの人が“開業から2ヶ月以内”という短い締切になること。3月15日だと油断していると間に合いません。

65万・55万・10万円——3つの控除の違い

青色申告特別控除には3つの金額があり、条件が違います。ここを正しく知らないと「青色にしたのに10万円しか引けなかった」となりがちです。

控除額 帳簿 申告方法 ざっくり難易度
65万円 複式簿記 e-Tax(電子申告) または 電子帳簿保存 ★★(ソフトを使えば実は難しくない)
55万円 複式簿記 紙で申告 ★★
10万円 簡易簿記(単式でOK) 紙・電子どちらでも

65万円と55万円の分かれ目は「e-Tax か紙か」だけ

見落としがちですが、65万円と55万円の帳簿の要件は同じ(複式簿記)です。違いは最後の提出方法だけ。

  • 複式簿記で記帳し、貸借対照表・損益計算書をつけて、e-Taxで電子申告する → 65万円
  • 同じ内容を紙で提出する → 55万円(10万円の差)

つまり、会計ソフトで複式簿記の帳簿を作れているなら、あとはe-Taxで送るだけで+10万円。ここを紙で出して10万円損している人は少なくありません(租税特別措置法25条の2)。

「複式簿記」は会計ソフトが肩代わりしてくれる

「複式簿記なんて簿記の資格がないと無理」と身構える必要はありません。freee・マネーフォワード・弥生などの会計ソフトは、日々の入力から自動的に複式簿記の帳簿を作ってくれます。 銀行口座やカードを連携すれば、多くの入力が自動。65万円控除のハードルは、昔よりずっと下がっています。

提出方法:3つのやり方

青色申告承認申請書そのものの出し方も確認しておきましょう。

  1. 税務署の窓口:開業届と一緒に「両方お願いします」と伝える。控えに受付印をもらう
  2. 郵送:控えと返信用封筒(切手貼付)を同封すれば、受付印付きの控えが返ってくる
  3. e-Tax:オンラインで完結。受信通知が控えになる

いずれの方法でも、受付印のある控え(またはe-Taxの受信通知)は必ず保管してください。青色が有効であることの証拠になり、融資や補助金の申請でも役立ちます。

よくある質問(FAQ)

Q. 期限を1日でも過ぎたら、その年はもう青色にできない?
原則、その年分についてはできません。翌年分からの適用になります。だからこそ「開業したらすぐ出す」が鉄則です。

Q. 開業届は出したが青色申告承認申請書を出していない。今から今年分を青色に間に合う?
開業から2ヶ月/3月15日の期限内であれば間に合います。過ぎていれば翌年分から。

Q. とりあえず65万円で申請しておいて、実際は10万円でもいい?
青色申告承認申請書は「青色にする」ための書類で、控除額を先に固定するものではありません。実際の控除額は、その年の帳簿・申告方法で決まります。まず青色の承認だけ取っておけば、65万でも10万でも後から選べます。

Q. 65万円控除、結局いちばん簡単に達成するには?
「会計ソフトで複式簿記の帳簿を作る」+「e-Taxで申告する」。この2つを満たせばOKです。

まとめ

  • 期限は原則3月15日、1月16日以後開業の年は開業日から2ヶ月以内
  • 65万=複式簿記+e-Tax、55万=複式簿記+紙、10万=簡易簿記
  • 65万と55万の差は「電子申告するかどうか」だけ。紙で出すと10万円損
  • 複式簿記は会計ソフトが自動で作るので、身構えなくてよい
  • 迷ったら開業届と同時にすぐ提出、控えは必ず保管
この記事の主な根拠(出典)

  • 所得税法143条・144条(青色申告と承認申請の期限)
  • 租税特別措置法25条の2(青色申告特別控除。65万円は複式簿記+e-Taxまたは電子帳簿保存が要件)
  • 国税庁タックスアンサー No.2072(青色申告特別控除)/No.2070(青色申告制度)

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