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更新日 2026-09-07 起業時の知識

青色申告の申請を出し忘れて「今年は白色」に。来年こそ65万円を取る方法

「青色申告承認申請書、出していないので今年は白色ですね」。確定申告の準備をしていて、この事実に気づいたときのショックは相当なものです。65万円控除を当てにしていたのに、今年はゼロ。しかも、過ぎてしまった期限はもう戻りません。

でも、ここで落ち込んで終わりにするのはもったいないです。今年が白色で確定しても、来年からは確実に青色にできます。 むしろ大事なのは「今年の白色をどう乗り切り、来年こそ65万円を取りこぼさないか」。この記事は、その具体的なリカバリー手順です。

この記事の結論
– 期限を過ぎた年を、あとから青色にすることは原則できない
– でも翌年分からは青色にできる。期限は原則その年の3月15日まで
– 今年やるべきは「白色でも正しく申告」+「来年に向けた記帳体制づくり」
– もう二度と忘れないよう、申請書は今すぐ出す(来年分としてでも動ける)

まず現実:過ぎた年は青色にできない。切り替える

つらいですが、最初に受け止めておきましょう。青色申告承認申請書の提出期限(開業から2ヶ月/原則3月15日。所得税法144条)を過ぎてしまった年については、あとからさかのぼって青色にすることは、原則としてできません。今年は白色で申告する、と割り切るのが出発点です。

ただし、これは「1年分の65万円控除を逃した」だけの話です。事業が終わったわけでも、来年以降がダメになったわけでもありません。リカバリーの本番は「来年」です。

リカバリーの全体像(3ステップ)

やることは3つだけです。

  1. 今年分は白色で、正しく申告する(無申告にはしない)
  2. 来年分を青色にする申請書を、期限内に出す
  3. 今年のうちから、複式簿記の記帳体制を整えておく

順番に見ていきます。

ステップ1:今年は白色で、きちんと申告する

「青色になれないなら申告も適当でいい」はダメです。所得があるのに申告しない「無申告」は、加算税・延滞税の対象になり、青色を逃す以上の痛手になります。白色でも、売上と経費をきちんと集計して期限内に申告してください。この今年の記帳作業が、そのまま来年の青色の練習にもなります。

ステップ2:来年分の青色申告承認申請書を、期限内に出す

翌年分から青色にするための期限は、原則その年の3月15日までです。たとえば「今年(開業年)は白色で確定 → 来年分から青色」にしたいなら、来年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出します。

ここで最大の教訓は、「後で出そう」がそもそもの失敗原因だったということ。同じ轍を踏まないために、申請書は思い立ったタイミングで早めに提出し、控え(e-Taxなら受信通知、紙なら自分で取ったコピー)を必ず保管しておきましょう。2025年1月から、税務署は控えに受付印を押していません。

ステップ3:今年のうちに「複式簿記」の体制をつくる

来年、青色で65万円控除を取るには、複式簿記の帳簿に加えて、期限内にe-Taxで申告します(租税特別措置法25条の2)。じつはe-Taxの代わりに、「優良な電子帳簿」で帳簿を保存する道もあります。ただし訂正・削除の履歴が残るソフトを使ったうえで、申告期限までに届出書を出します。初めてなら、e-Taxのほうが確実です。そのための準備は、来年になってからでは間に合いません。今年のうちに会計ソフトを導入し、日々の取引を記録する習慣をつけておきましょう。

  • 事業用の口座・カードをソフトに連携し、自動で取引を取り込む
  • 月に一度でいいので、未処理の取引を整理する
  • こうしておけば、来年は「青色にした初年度から、迷わず65万円」を狙えます

「今年の白色」を無駄にしないコツ

今年の白色申告は、来年の青色に向けた「予行演習」として活用できます。

  • 今年白色でつけた帳簿を、そのまま会計ソフトに移して来年の運用につなげる
  • 「どの経費が漏れやすいか」「レシート整理はどうするか」を今年のうちに体で覚える
  • 開業初年度なら、開業費(開業前の準備費用)を漏らさず拾っておく。これは白色でも計上できます

こう考えると、今年の白色は「損した1年」ではなく、「青色を確実にするための助走」に変わります。

来年こそ忘れないために——2枚を「同時に」出す

この失敗が起きるのは、開業届と青色申告承認申請書が別々の書類だからです。開業届を出した時点で「手続きは終わった」と感じてしまい、もう1枚が残っていることに気づきません。開業して最初の年に、いちばん多い取りこぼしです。

防ぎ方はひとつだけです。開業届と青色申告承認申請書は、必ず同じ日に2枚セットで出します。e-Taxなら同じ画面で続けて作成でき、郵送なら同じ封筒に入れられます。窓口でも「開業届と青色申告の申請、2枚お願いします」と言えば通ります。

控えも2枚とも受け取ってください。あとで融資や補助金の申請で、青色申告の承認を受けていることを示す場面があります(開業届の控えがないと詰む場面)。

よくある質問(FAQ)

Q. 出し忘れた今年分だけ、税務署にお願いして青色にしてもらえない?
原則できません。期限内提出が要件のため、事情があっても、税務署は遡及適用を基本認めません。来年分に切り替えましょう。

Q. 来年分の申請書は、いつ出すのがベスト?
「思い出した今すぐ」が一番です。来年3月15日が期限ですが、早く出して控えを保管しておけば、もう忘れる心配がありません。

Q. 今年白色でも、赤字は来年に繰り越せる?
白色では、原則として純損失の繰越はできません(一定の変動所得・被災事業用資産等の例外を除く)。そのため、赤字が出やすい初年度に青色を逃すのは痛手で、来年こそ青色にする意味が大きいです。

Q. 来年こそ65万円を確実に取るには、最低限なにをすればいい?
①来年分の青色申告承認申請書を期限内に出す ②会計ソフトで複式簿記の帳簿を作る ③e-Taxで申告する。この3点です。③はe-Taxの代わりに「優良な電子帳簿」で保存する方法もありますが、別途の届出が要るので、まずはe-Taxが手軽です。

まとめ

  • 期限を過ぎた年はあとから青色にできない。今年は白色と割り切る
  • 来年分から青色にできる。期限は原則その年の3月15日
  • 今年は「白色でも正しく申告」+「複式簿記の体制づくり」
  • 申請書は今すぐ出して控えを保管。もう二度と忘れない
  • 今年の白色は、来年の青色に向けた「助走」にできる

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この記事の位置づけ

この記事は「2 青色申告を選ぶ」の詳細です。

個人事業を始めるとき、やることは7つだけです。コース全体のどこにあたるかは、全体像のページで確認できます。

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