「青色申告承認申請書、出していないので今年は白色ですね」——確定申告の準備をしていて、この事実に気づいたときのショックは相当なものです。65万円控除を当てにしていたのに、今年はゼロ。しかも、過ぎてしまった期限はもう戻りません。
でも、ここで落ち込んで終わりにするのはもったいない。今年が白色で確定しても、来年からは確実に青色にできます。 むしろ大事なのは「今年の白色をどう乗り切り、来年こそ65万円を取りこぼさないか」。この記事は、その具体的なリカバリー手順です。
この記事の結論
– 期限を過ぎた年を、あとから青色にすることは原則できない
– でも翌年分からは青色にできる。期限は原則その年の3月15日まで
– 今年やるべきは「白色でも正しく申告」+「来年に向けた記帳体制づくり」
– もう二度と忘れないよう、申請書は今すぐ出す(来年分としてでも動ける)
つらいですが、最初に受け止めておきましょう。青色申告承認申請書の提出期限(開業から2ヶ月/原則3月15日。所得税法144条)を過ぎてしまった年については、あとからさかのぼって青色にすることは、原則としてできません。今年は白色で申告する、と割り切るのが出発点です。
ただし、これは「1年分の65万円控除を逃した」だけの話。事業が終わったわけでも、来年以降がダメになったわけでもありません。リカバリーの本番は“来年”です。
やることは3つだけです。
順番に見ていきます。
「青色になれないなら申告も適当でいい」は絶対にダメです。所得があるのに申告しない“無申告”は、加算税・延滞税の対象になり、青色を逃す以上の痛手になります。白色でも、売上と経費をきちんと集計して期限内に申告してください。この今年の記帳作業が、そのまま来年の青色の練習にもなります。
翌年分から青色にするための期限は、原則その年の3月15日までです。たとえば「今年(開業年)は白色で確定 → 来年分から青色」にしたいなら、来年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出します。
ここで最大の教訓は、「後で出そう」がそもそもの失敗原因だったということ。同じ轍を踏まないために、申請書は思い立ったタイミングで早めに提出し、受付印のある控え(e-Taxなら受信通知)を必ず保管しておきましょう。
来年、青色で65万円控除を取るには、複式簿記の帳簿とe-Tax申告が必要です(租税特別措置法25条の2)。そのための準備は、来年になってからでは間に合いません。今年のうちに会計ソフトを導入し、日々の取引を記録する習慣をつけておきましょう。
今年の白色申告は、来年の青色に向けた“予行演習”として活用できます。
こう考えると、今年の白色は“損した1年”ではなく、“青色を確実にするための助走”に変わります。
Q. 出し忘れた今年分だけ、税務署にお願いして青色にしてもらえない?
原則できません。期限内提出が要件のため、事情があっても遡及適用は基本認められません。来年分に切り替えましょう。
Q. 来年分の申請書は、いつ出すのがベスト?
「思い出した今すぐ」が一番です。来年3月15日が期限ですが、早く出して控えを保管しておけば、もう忘れる心配がありません。
Q. 今年白色でも、赤字は来年に繰り越せる?
白色では、原則として純損失の繰越はできません(一定の変動所得・被災事業用資産等の例外を除く)。だからこそ、赤字が出やすい初年度に青色を逃すのは痛手で、来年こそ青色にする意味が大きいのです。
Q. 来年こそ65万円を確実に取るには、最低限なにをすればいい?
①来年分の青色申告承認申請書を期限内に出す ②会計ソフトで複式簿記の帳簿を作る ③e-Taxで申告する——この3点です。
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