「請求書って、何を書けばいいの?」——開業して初めて請求書を作るとき、多くの人が手探りになります。しかもインボイス制度が始まってからは、書くべき項目が増え、抜けがあると取引先が困るようになりました。「この請求書、インボイスとして有効ですか?」と取引先から聞かれて焦る、というのもよくある話です。
この記事では、個人事業主が発行する請求書について、インボイス(適格請求書)として最低限必要な記載項目をチェックリストで整理します。登録している人・していない人、それぞれの書き方が分かります。
この記事の結論
– インボイス(適格請求書)には6つの必須記載項目がある
– とくに重要なのが①登録番号 ②税率ごとに区分した金額 ③税率ごとの消費税額
– 免税事業者(未登録)は、登録番号や「消費税額」としての記載は書けない
– 会計・請求ソフトを使えば、必須項目は自動で満たせる
適格請求書発行事業者が発行する請求書には、次の6項目が必要です(消費税法57条の4)。1つでも欠けると、取引先が仕入税額控除に使えない“不完全なインボイス”になってしまいます。
| # | 記載項目 | ポイント |
|---|---|---|
| ① | 発行者の氏名(屋号)+登録番号 | 「T+13桁」の登録番号を必ず記載 |
| ② | 取引年月日 | いつの取引か |
| ③ | 取引内容 | 何を売った・提供したか(軽減税率対象ならその旨も) |
| ④ | 税率ごとに区分した対価の額+適用税率 | 10%対象・8%対象を分けて合計を書く |
| ⑤ | 税率ごとに区分した消費税額 | 税率ごとの消費税額を記載 |
| ⑥ | 交付を受ける相手方の氏名・名称 | 誰に宛てた請求書か |
登録番号(①):これが抜けていると、そもそもインボイスになりません。「T」+数字13桁。請求書のヘッダーや発行者名の近くに固定で入れておくと漏れません。
税率ごとの区分(④):飲食料品など軽減税率(8%)の対象と、それ以外(10%)が混ざる場合は、税率ごとに合計金額を分けて書きます。10%だけの取引なら、10%対象として合計を示せばOK。
税率ごとの消費税額(⑤):税率ごとに消費税額を記載します。端数処理は「1つのインボイスにつき、税率ごとに1回」がルール。品目ごとに端数処理を繰り返すのは認められていません。
たとえばデザイン料5万円(税率10%)を請求する場合の最低限のイメージ:
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請求書 2026年8月31日
〇〇株式会社 御中
〇〇デザイン 宍倉 奎次郎
登録番号:T1234567890123
ご請求金額 55,000円
内容 金額
Webデザイン制作費 50,000円
10%対象 50,000円
消費税(10%) 5,000円
合計 55,000円
──────────────────────────────
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この例には、①屋号+登録番号 ②取引年月日 ③取引内容 ④税率ごとの対価と税率 ⑤税率ごとの消費税額 ⑥宛名——の6項目がすべて入っています。
インボイスに登録していない免税事業者は、登録番号を持っていないので、当然その記載はできません。また、インボイスとしての「消費税額」を記載することはできません(適格請求書と誤認される書き方は避けます)。
未登録でも請求書自体は発行できます。ただし、取引先が課税事業者の場合、インボイスでないことで相手の税負担に影響する点は、登録の要否とあわせて理解しておきましょう(登録すべきかの判断は関連記事へ)。
Q. 手書きやExcelの請求書でもインボイスになる?
なります。様式は自由で、6つの必須項目が入っていれば手段は問いません。ただし、ミスや記載漏れを防ぎ、控えの保存もラクなので、請求書・会計ソフトの利用がおすすめです。
Q. レシートや領収書でもインボイスになる?
なり得ます。小売・飲食・タクシーなど一定の業種では、記載項目を一部簡略化できる「適格簡易請求書(簡易インボイス)」も認められています。
Q. 登録番号が合っているか、取引先が確認できる?
国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で登録番号を検索できます。取引先から確認されることもあるので、正しい番号を記載しましょう。
Q. 端数処理はどうすればいい?
1つのインボイスにつき、税率ごとに1回だけ端数処理します。切上げ・切捨て・四捨五入のいずれを使うかは事業者が選べます(品目ごとの複数回処理は不可)。
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